第54回全日本スキー技術選手権大会
技術選プレビュー
いざ、北海道決戦へ!

2009年以来、8年間、戦いの舞台となった“聖地"白馬八方尾根を離れ、21年ぶりに北海道・ルスツリゾートで開催される第54回全日本スキー技術選手権大会。そこで“総合優勝"の栄冠を手にするのは、いったい誰なのか?上位争いのポイントを探る。


 3月8日(水)〜12日(日)にかけて行なわれる第54回全日本スキー技術選手権大会(以下、技術選)は、1996年以来、21年ぶりに北海道・ルスツリゾートが戦いの舞台となる。3つの山からなるルスツリゾートだが、会場となるのはウエストマウンテン。その奥にあるタイガーコースやダイナミックコース、エリートコースなどが、おもな競技バーンとなる。

 今年の技術選の注目点は、まず競技日程とその構成が変更されていることだ。昨年は「予選2日4種目、本選1日4種目、決勝2日6種目(スーパーファイナル含む)」というものだったが、今年の場合は「予選2日4種目、決勝2日7種目(スーパーファイナル含む)」という形に変更されている。北海道開催ということを考慮し、本選を取りやめ、競技日程が短縮されたかたちだ。

 それにともなって昨年まで採用されていた「シード」も廃止されている。その結果、有力選手も予選から競技に挑むことになり、会場を訪れる者にとっては日程選択の幅が広がり、普段なかなか見られない滑りを、生で見るチャンスが増えたと言えるだろう。

 総合成績にかかわるのは、男子140位タイ、女子80位タイまでが出場できる決勝競技の得点。昨年同様、最終種目をスーパーファイナルとし、決勝6種目終了時点での男子20位タイ、女子10位タイまでの選手だけが、スーパーファイナルへ進むことが許される。この種目は、それまでの得点を基準にしたリバーススタートで行なわれるため、逆転があったり、逃げ切りがあったりという、スリリングな展開を楽しめるはずだ。ちなみに、同点となった場合には、予選の合計得点を基準にして順位を決めるという。

 競技種目には大きな変更は加えられていない。ここ数年、定番の種目となっている「総合滑降(マテリアル規制)」はもちろん、昨年新しく採用された「小まわり(リズム変化)」も引き続き採用されている。スーパーファイナルを除いて総合成績にかかわる種目を見ると、昨年は大まわり系5種目、小まわり系4種目だったのに対して、今年は大まわり系3種目、小まわり系3種目と、そのバランスが見直されている。



北海道勢有利か シード撤廃でベテランVS新鋭が激化

 昨年の技術選の男子戦線では、吉岡大輔や武田竜など、競技色の強い滑りでインパクトを与えた選手たちと、丸山貴雄や柏木義之など、総合力に富むベテラン選手とが拮抗した戦いを見せる展開となった。この構図は、今年も基本的に変わらないだろう。だが、そこに大きな影響を及ぼすと思われるのが、ルスツリゾートの競技バーンが持つプロフィールだ。

 白馬八方尾根スキー場のウサギ平を中心に競技バーンを設定した昨年までの技術選では、全体的にバーンが持つ斜度がきつい傾向があった。そのため個々の選手が持つポテンシャルの差が現われやすく、そのなかでスーパーな滑りをすると一気にライバルたちに差をつける高得点をたたき出すことが可能だった。

 しかし、ルスツリゾートの場合、技術選レベルで急と言える斜面はタイガーコースだけ。決勝2日間で使われるダイナミックコースとエリートコースはともに、技術選の選手たちにとっては難易度の低い斜面設定にならざるを得ない。とくに決勝の大まわり系3種目は、このふたつのバーンで行なわれるため、なかなか得点差がつきにくく、ひとつのミスが大きく結果を左右するという、別の意味で難易度の高い斜面になるはずだ。現在の技術選で求められる、深まわりとターンスピードのバランスを、どのように各選手が取ってくるのか。その点に注目して観戦してもらいたい。

 一方、決勝の小まわり4種目中、3種目が行なわれるタイガーコースは、最大斜度29度、平均斜度27・1度というルスツリゾートが誇る急斜面。当然、カービングだけで滑りきるのはむずかしく、スピードと弧を斜面にフィットさせる技の多彩さが求められる。大まわり系種目で得点差がつきにくい展開が予想されるぶん、このタイガーコースの急斜面をいかに攻略してみせるかが、総合成績に大きく影響してくると言えるのではないだろうか。ぜひ現地に足を運び、選手たちの滑りをその目で見てもらいたい。

絶対的な難易度が低い斜面で行なわれる大まわり系種目と、逆に難易度が高いタイガーコースが中心になる小まわり系種目。それぞれのバランスをうまく取ることが上位進出には不可欠な要素になるだろう。

技術選TOPへ
[SJM]トップページへ
(C)SKI journal Publisher